セラフィーユ®(多層基板)
セラフィーユ®はAg系導体を使用した低損失のLTCC基板です。
以下の用途におすすめです。
・セラミックパッケージ
セラフィーユ®はキャビティに半導体を格納することができます。有機パッケージでは基材から発生するガス(アウトガス)が性能の劣化を招くことがありますが、セラフィーユ®は約850℃の高温で焼成されているため、アウトガスの心配がありません。セラフィーユ®の基材はガラスセラミックスから成り、水分を透過しないため気密封止に適しています。HTCCと比較して導体損失が低いため、設計自由度が高く、部品の小型化に貢献します。
・高周波モジュール基板
一般的な樹脂基板(FR-4)に比べ誘電損失が低く、HTCCよりも導体損失が低いため、高周波用途に適しています。内層にコイルやコンデンサ、抵抗などの受動素子を内蔵することが可能で、部品の小型・高機能化に貢献します。
・シリコン基板とのインターポーザ基板
インターポーザ基板とは、半導体チップと基板を電気的に接続する中継基板です。設計自由度の高い三次元配線が可能なセラフィーユ®はインターポーザ基板に適しています。
特長
高密度配線
コイルやコンデンサ、抵抗を基板に内蔵できるため基板サイズを小型化することができます。
±0.3%の優れた寸法精度により実装性が向上します。
低温焼結で導電率
Ag系の導体を使用しているため、導体損失を低く抑えることができます。
表面処理として、Ni/Auめっき処理、ならびにNi/Pd/Auめっき処理の選択が可能です。
材料特性
項目 | 単位 | 測定条件 | NL-Ag3 |
---|---|---|---|
色 | ― | ― | 白 |
密度 | g/c㎥ | ― | 2.85 |
抗折強度 | MPa | ― | 250 |
熱膨張係数 | 10-6/℃ | RT~350℃ | 5.5 |
熱伝導率 | W/(m・K) | ― | 3.5 |
誘電率 | ― | 2.3GHz | 7.1 |
誘電正接 | % | 2.3GHz | 0.3 |
デザインガイドライン
項目 | 単位 | 標準仕様 |
---|---|---|
外形寸法 | mm | 〜 120 x 120 |
寸法公差 | % | ±0.3 ~ |
基板厚み | mm | 0.25 ~ |
板厚公差 | % | ±10 |
層厚み | mm | 0.05 〜 0.2 |
層数 | ― | 20層配線可能 |
キャビティ | ― | 可能 |
ビア径 | mm | 0.05 ~ 0.2 |
ビアピッチ | mm | 0.25 〜 |
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利用されている商品
- 高周波用途基板
(フロントエンドモジュール・センサー基板) - 小型パッケージ部品基板
- シリコン基板とのインターポーザ基板