アルミナ多層配線基板
HTCCとは、High Temperature Co-fired Ceramics(高温同時焼成セラミックス)の略称です。LTCCに比べ抗折強度と熱伝導性に優れたセラミック多層回路基板です。導体に「白金」を使用しているため、めっきが不要でプラズマ発生装置や生体適合が必要な医療用途などに適しています。
下記の用途におすすめです。
・プラズマ(オゾン)発生装置用セラミック回路基板
除菌や脱臭に使われるオゾンは、電極間に高い電圧をかけて放電することで作られます。アルミナ多層配線基板は絶縁性の高いアルミナを基材とし、電極材料に化学的安定性の高い白金を使用しています。そのため、厳しい動作環境でも十分な性能を発揮できます。
・MEMSセンサ用のセラミックパッケージ
MEMS技術を活用した小型なセンサの実用化が進められており、信頼性の高いパッケージングはキーテクノロジーの一つです。中でも、高温や腐食性ガスなどの過酷な環境下で使えるセンサでは、その環境に耐えられる電極が重要です。アルミナ多層配線基板は白金を使用しており、めっき処理なしでワイヤーボンディングや半田・ロウ付けなどの実装技術に対応できます。白金電極は熱的・化学的安定性が高く、過酷な環境でも性能の劣化を心配する必要がありません。
・LED用セラミックパッケージ
樹脂に比べて高い熱伝導性を持つセラミックは、放熱性が求められるLED用パッケージに最適です。
特長
白金電極を採用した新規HTCC
・化学的に非常に安定な金属のため酸化しにくく、高温などの様々な環境でも使える
・メッキなどの表面処理が不要なため、環境配慮(SDGs)に適合し、低コスト化も実現
・生体適合性に優れた材料のため
医療分野でも広く採用
・白金の触媒効果が期待できる
・アルミナ含有量が一般的なHTCCよりも高く、高強度。高熱伝導性・低誘電損失などのセラミック自体の優位性がある
・寸法精度が高い(±0.3%)
材料特性
項目 | 単位 | HTCC NHP-96 |
---|---|---|
誘電率 @1MHz/10GHz | ― | 9.3/9.0 |
誘電損失 @1MHz/10GHz | ×10-4 | 2/4 |
密度 | g/cm3 | 3.75 |
熱伝導率 | W/(m・K) | 23 |
熱膨張係数 | 10-6/℃ | 6.8 |
抗折強度 | MPa | 450 |
セラミック材料 | ― | アルミナ96% |
グリーンシート厚み | mm | 0.05~1.0 |
導体材料 | ― | Pt |
表層導体 | ― | Pt |
寸法位置精度 | % | ±0.3 |
デザインガイドライン
項目 | 単位 | 標準仕様 |
---|---|---|
外形寸法 | mm | 〜 120 x 110 程度 |
寸法公差 | % | ±0.3 ~ |
基板厚み | mm | 0.2 〜 |
板厚公差 | % | ±10 |
層厚み | mm | 0.07 〜 1.0 |
層数 | ― | 20層配線可能 |
キャビティ | ― | 可能 |
ビア径 | mm | 0.05 ~ 0.2 |
ビアピッチ | mm | 0.25 ~ |
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利用されている商品
- プラズマ(オゾン)発生装置
- 医療用途
- センサなどの小型パッケージ部品
など