生ごみを水道水と一緒…

ディスポーザーとは? 導入のメリット・デメリットや設置にかかる費用の相場を解説
毎日調理をするキッチンでは、 多くの生ごみが発生しています。シンクに流れていくごみを見て、いつかつまりが発生するのではと不安に感じている人は多いでしょう。
ディスポーザーは、発生した生ごみを 粉砕する機械です。つまりの原因を除去し、キッチンを長く清潔に保てるようになります。
この記事では、ディスポーザーのメリット・デメリットから、設置条件まで解説します。ディスポーザーが自分のライフスタイルに合っているかわかるだけでなく、住まいに設置できるかを確認できるようになるので、ぜひ最後までお読みください。
ディスポーザーとは
ディスポーザーとは、キッチンシンクの下へ取り付け、生ごみを粉砕する機械のことです。通常は排水口に生ごみを捨ててしまうと、排水管のなかでヌメリに変化し、つまりの原因になります。
その点、ディスポーザーを設置すれば、生ごみを水道水と一緒に流すだけで処理が完了します。 つまりの原因となる生ごみを細かく刻み、清潔なキッチンの実現が可能です。
キッチンの片付けの手間をなくしつつ、長くきれいに使い続けたい場合は、ディスポーザーの利用が適しているでしょう。詳しい仕組みやメリットなどは、以下で解説していきます。
ディスポーザーの仕組み
仕組みを理解しなければ、ディスポーザーを使用するイメージが湧きません。排水処理方法や使い方を知り、どのようにして生活に役立つのかを確認しましょう。
ディスポーザーの排水処理方法
ディスポーザーで粉砕された生ごみと排水は、 排水処理を施したうえで、公共の下水道へと流されます。排水処理方法は、生物処理タイプと機械処理タイプの2種類に分かれます。
生物処理タイプ | キッチン排水を専用の排水処理槽で生物処理をしてから下水道に放流する仕組み |
---|---|
機械処理タイプ | キッチン排水はシンク下に設置した装置で固体と液体に分離され、固体は回収し、液体は下水道へ流す仕組み |
ディスポーザーは、生ごみをそのまま下水道に放流するのではなく、環境に配慮した形で処理しています。
ディスポーザーの使い方
ディスポーザーは、蓋スイッチ方式と連続投入式により使い方が異なります。今回は、蓋スイッチ方式の使い方を以下で解説します。
- 排水口に設置した蓋スイッチを取る
- 生ごみを投入する
- 水道水を流す
- 蓋スイッチを ONにする
- 運転が終わったら水を止める
シンク内だけで生ごみの処理ができるため、後片付けの際に出た食器の底に残った汚れをわざわざ除去する必要がありません。当たり前のようにしていた手間がなくなり、いまよりも快適なキッチンが実現できます。
ディスポーザーのメリット
ディスポーザーを使えば、キッチン周りのごみに関する問題の解決が可能です。生活の質を向上させるためにも、ディスポーザーのメリットについて確認していきましょう。
臭いが出なくなる
ディスポーザーで生ごみを排水処理すれば、臭いの出ないキッチンを作れます。悪臭の原因の1つは、放置した生ごみの腐敗によるものです。
生ごみは、水分を多く含み温度が上昇すると腐敗が進みます。ごみ箱や三角コーナーに溜まったごみは、捨てられる日まで待つあいだに臭いが発生してしまうでしょう。
ディスポーザーは、食材カス を粉砕し水道水と一緒に流せるため、臭いのもとである生ごみをキッチンに残しません。
害虫の発生を防げる
ディスポーザーで生ごみを処理すれば、ゴキブリやコバエなどの害虫の発生を防げます。害虫は、食材カスや食べ残しなどに反応しキッチンに集まる習性があるためです。
また、排水口に食材を流すことで溜まった汚れも、害虫を呼び寄せる原因です。料理をすればごみは出てしまうため、すぐに捨てるなどし、常に気をつけていなければなりません。
ディスポーザーがあれば、害虫発生の原因である生ごみを、排水口に流すだけでいつでも処理ができます。
掃除が楽になる
ディスポーザーの使用により、調理や食べ残しで出たごみを取り除く作業がなくなります。三角コーナーが不要になり、溜まったごみの水気を切ってから除去する手間も減るでしょう。
わざわざ生ごみとして捨てていた食べ残しも、シンクに流すだけでディスポーザーが 粉砕し、掃除が完了します。
排水口のつまりを軽減できる
ディスポーザーを使わずに食材カスや食べ残しをそのまま排水口に流した場合は、つまりの原因になります。排水管のなかで冷え固まった油汚れに付着し、つまりを発生させるヌメリへと変化するためです。
排水口がつまった場合は、パイプクリーナーやラバーカップを使用し、除去作業が必要になります。また、排水管の奥でつまった場合は、自身では解決できないため業者を呼ばなければなりません。
業者を呼ぶと、つまりの状況により、1~4万5,000円程度の費用がかかる場合があります。ディスポーザーであれば、生ごみを排水処理できるため、排水口のつまりの軽減が可能です。
キッチン排水口のつまりの原因について詳しく知りたい人は、別記事「【自分でできる】キッチン排水口のつまりの直し方7選!予防方法も解説」をご確認ください。
ごみ出しが楽になる
ディスポーザーで生ごみを排水処理できるため、実際にごみとして捨てる量が減ります。また、水気をふくんだ廃棄物がなくなり、ごみ袋を軽くする効果もあります。
自身のキッチン周りだけでなく、収集場所の汚れや悪臭も減り、地域美化にも効果があるでしょう。ごみ出しの頻度も減り、回収作業車の効率的な運用にもつながります。
さらに、ディスポーザーで粉砕処理して下水道に流されたものは、肥料やバイオマス発電の原料として行政による再利用が進められています。家庭のごみ出しが楽になることに加え、環境の改善にも貢献が可能です。
ディスポーザーのデメリット
ディスポーザーは、臭いの除去や害虫発生の防止などに効果があります。一方で、使用する際にはデメリットも存在します。
どれも事前に知っておけば問題ないものばかりのため、デメリットを知ったうえで使用を検討してみてください。
日々のお手入れが必要である
キッチン周りの掃除の手間を軽減できるディスポーザーですが、機械自体に定期的な清掃が必要です。とはいえ、お手入れにはほとんど手間はかかりません。
たとえばディスポーザーの排水管の手入れは、1週間に1回を目安に、5リットル溜めた水を一気に流すだけで完了します。配管設備の寿命を延ばせるため、長く快適に利用できるでしょう。
CIALACのディスポーザーであれば、オートクリーニング機能によってお手入れにかかる時間の削減が可能です。オートクリーニング機能は、掃除に時間のかかる機械内部の汚れを自動で清掃する機能です。
シンクに溜まったごみを調理のたびに除去するよりも、ディスポーザー自体のお手入れの方が負担は少ないでしょう。
動作音がする
ディスポーザーは、ごみを粉砕しているあいだは、ミキサーを使っているような音が鳴り続けます。音が鳴るのは1分程度ではあるものの、夜間や早朝などは周辺の配慮が必要です。
とくに周りの音が聞こえがちな集合住宅では、利用するタイミングに注意したほうがいいでしょう。処理自体には時間がかからず、料理をしながらの利用もできます。
維持費がかかる
ディスポーザーは、日々のお手入れのほかに、業者による定期的な点検が推奨されています。そのため、メンテナンスの実施による維持費が発生します。
また、使用状況により、部品の交換や水漏れの修理などが必要なケースもあるでしょう。とはいえ、ディスポーザーを使っていない場合、キッチン自体のメンテナンスにお金がかかるかもしれません。
たとえば、排水口のつまりが起きた場合、業者の修理によってディスポーザーの維持費以上の金額の発生が考えられます。
ディスポーザーの設置・交換費用の相場
いくらディスポーザーが便利なものだとわかっても、予算が合わなければ導入に踏み出せません。どのタイミングで使用を開始するか検討するためにも、維持費・交換費の相場をお伝えします。
設置費
ディスポーザーを新たに設置した場合の費用は、14~19万円程度が相場です。製品の価格は10~12万円程度であり、工事費は設置条件や業者により変動します。
また、自治体によっては購入に補助金が出る場合もあるためチェックが必要です。たとえば、長野市では「生ごみ処理機器購入費補助金」にて、ディスポーザー購入代金の2分の1(上限3万円)の補助を受けられます(2023年9月時点、機械処理タイプにかぎる)。
費用が原因で購入に踏み出せない場合は、一度地域で補助金の制度がないかを確認してみるといいでしょう。
交換費
ディスポーザーの交換費は、10万円前後のケースが多く、機種によっては20万円程度発生する場合もあります。交換費には、製品自体の価格だけでなく、工事費や既存機器の処分費もふくまれます。
また、部品交換であれば、安価に済む可能性があるでしょう。たとえば、水漏れを防止するパッキンのみを交換する場合は、工事費と合わせて2万円程度かかるケースがあります。
ディスポーザーの修理は自身では解決できないことが多いため、事前に見積もりを取って金額を確認してみてください。
ディスポーザーの設置条件
ディスポーザーには、処理された水が公共の排水処理施設へと流れていく関係上、設置に条件が定められています。自治体で設置可否を管理している場合があるため、導入前の確認が必要です。
また、戸建てや集合住宅によっても、構造上の違いで設置に条件が設けられています。戸建てと集合住宅に分けて解説するので、自身の生活環境でディスポーザーを設置できるかを確認してみましょう。
戸建て
住んでいる地域の自治体で、ディスポーザー設置の制限があるかの確認が必要です。下水道管のつまりや施設の処理負荷の増大を理由に、規制をかけている場合があります。
また、日本下水道協会の「規格適合型式(製品)の一覧」に掲載されていないディスポーザーは、規制の対象になる場合が多いため注意が必要です。導入前には、メーカーへ基準に沿った機器であるかの確認をおすすめします。
さらに、新築時の場合は、排水処理槽の設置ができるかのチェックが大切です。排水処理槽はディスポーザー導入の条件となるため、設置可否を確認しておかなければなりません。
既存住宅の場合、浄化槽とディスポーザーが対応していれば後付けでも設置可能です。キッチンシンク下に取り付けできるスペースがあるかも確かめておけば、設置時のトラブルがなくなるでしょう。
自治体のなかには、排水処理槽を設けずに、排水を直接下水道に流せる直接投入型のディスポーザーの設置を認めている場合があります。設置条件に迷う場合は、CIALACのような日本下水道協会から「規格適合型式」と認められた商品を扱うメーカーに相談してください。
ディスポーザーの一戸建てへの設置条件について詳しく知りたい人は、別記事「ディスポーザーは一戸建てに設置可能!後付けの条件や費用を解説」をご確認ください。
集合住宅
集合住宅の場合も、戸建てと同様に自治体で規制されていないかを確認する必要があります。加えて管理規約を確認し、ディスポーザー設置可否を確かめましょう。
集合住宅に後付けをしたいときには、機械処理タイプのディスポーザーであれば設置できる可能性があります。生物処理タイプのように、専用処理槽を設置する必要がないためです。
生物処理タイプが適しているのは、部屋数が多いマンションをオーナーが新築するケースです。専用処理槽1基に排水を集約するため、部屋ごとに固形と液体の分離装置を設置する必要がなくなります。
また、戸建ての場合と同じく、日本下水道協会の「規格適合型式(製品)の一覧」に掲載されていないディスポーザーは、規制の対象になる可能性があります。設置に関するトラブルを避けるためにも、まずはメーカーへの相談からはじめてみましょう。
ディスポーザーの選び方
ディスポーザーを選ぶ際は、使用方式による違いを理解しておく必要があります。具体的には、粉砕方式と投入方式のなかでいくつかの種類に分かれています。
自身の使い方に合った方式を選び、ディスポーザーの機能をうまく活用しましょう。選び方を把握したうえで、メーカーへの相談をおすすめします。
粉砕方式
粉砕方式とは、投入した生ごみを砕く方法のことで、処理能力や振動音の大きさなどに違いがあります。主に、以下の3つに分類されています。
- ハンマーミル方式
- チェーンミル方式
- ブレード破砕方式
ハンマーミル方式は、効率的に処理をしたい人に向いている方式です。遠心力を利用した2つのハンマーで比較的硬いものでも砕けますが、振動音は大きい傾向があります。チェーンミル方式は、料理に集中したい人におすすめです。音が静かで振動も少なく、万が一異物が混入しても、刃とのあいだに挟まりにくい構造で故障を防げます。ブレード破砕方式は、掃除のしやすさを重視する人に向いています。投入口を取り出して丸洗いできる独自の仕様を持っているだけでなく、音や振動も少ないのが特徴です。
ディスポーザーのなかでも、自身のスタイルに合った粉砕方式を選べば、生活の満足度を高められるでしょう。
投入方式
投入方式とは、生ごみを投入・起動する際の方法のことです。蓋スイッチ方式と、連続投入式の2種類があります。
蓋スイッチ方式は、鋭利な刃物を使用していないため、安全性を重視する場合におすすめです。投入口にまとめて生ごみを入れ、スイッチ付きの蓋を閉めたあとに起動させます。連続投入式は、料理しながら効率よくごみを処理したい人に向いています。壁に付けたスイッチを押すだけで処理が開始され、投入したものから連続で砕かれていく仕組みです。
小さな子どもがいる場合は蓋スイッチ方式にするなど、生活スタイルに合わせて選択するといいでしょう。
ディスポーザーについてよくある質問
一般的な家電量販店で見かけないディスポーザーを検討する場合、わからないことが多く出てくるのではないでしょうか。より理解を深めるためにも、ディスポーザーについてよくある質問をまとめました。
流してはいけないものはありますか?
ディスポーザーには、故障やつまりの原因となるため、流してはいけないものがあります。主に、以下のようなものが投入を禁止されています。
- 金属・ガラス
- 紙・プラスチック製品
- 木竹・ゴム・土砂石類
- 多量の洗剤・油脂
ほかにも、塩酸や漂白剤などの薬品の投入は、汚水の浄化能力が下がるため禁止されています。トウモロコシの皮のような排水管内に溜まりやすいものや、繊維の強い栗や筍皮も避けなければなりません。
一般的な食材であれば粉砕可能であり、スイカやキャベツの芯などは、細かくしてから投入すれば処理しやすくなります。
電気代は増えますか?
ディスポーザーの設置により、電気代が大きく増えることはありません。1日3回の使用を想定した場合、水道代をふくめても年間で100~1,000円以内に収まることが多いでしょう。
ディスポーザー導入で生ごみが軽減されることにより、ごみ袋や害虫駆除スプレーの購入頻度を抑えられます。そのため、ランニングコストへの心配は少ないといえます。
ディスポーザーの寿命はどのくらいですか?
ディスポーザーの寿命は、7~10年です。使用回数や異物混入の頻度などにより、早まる可能性があります。
定期的なメンテナンスのなかで、業者に交換のタイミングを確認することをおすすめします。また、日々のお手入れを継続して、少しでも寿命を延ばすといいでしょう。
ディスポーザーの検討はメーカーへの相談からはじめてみよう
ディスポーザーは、キッチンを清潔に長く保つために役立つ機械です。生活の一部に組み込めば、今よりも料理に集中できる環境を整えられます。
戸建てや集合住宅などの環境により、ディスポーザー設置の可否が決まるため注意が必要です。また、購入時には、メーカーに相談すると自身にあった機種を選べるでしょう。
NIKKOのディスポーザーCIALACは、安全を考慮したやさしい設計になっているため、はじめて利用する人におすすめです。自動ブレーキ機能により、運転中に蓋スイッチを開けると強制停止し、怪我を防止する仕組みが採用されています。
またNIKKOでは、日本下水道協会から「規格適合型式」と認められた商品のみ扱っているため、安心して導入が可能です。はじめてのディスポーザー購入に迷う場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
ディスポーザーについて、
お問い合わせ、ご相談はこちら
法人の方もこちらからお問い合わせください
【関連記事】ディスポーザーは一戸建てに設置可能!後付けの条件や費用を解説
【関連記事】【自分でできる】キッチン排水口のつまりの直し方7選!予防方法も解説
【参照サイト】東京都下水道局 生物処理タイプと機械処理タイプの違い
【参照サイト】農林水産省 ディスポーザー導入普及啓発資 3Pディスポーザーの概要
【参照サイト】北海道栗山町 ディスポーザー導入による影響評価 62P「使用者(家庭)負担額の試算」